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「昨日の答えを、今日疑う」–– VUCA時代の経営に寄り添うReproコンサルタント・CSOが正解を探すよりも大切にしていること

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Mid-careerConsultantCulture
「いち早くアウトプットを出して、それをまた自らの目で疑う。そうやって日々考え抜いています」そう話すのは、Repro株式会社のCSO(Cheif Strategy Officer)を務める越後。その言葉の裏側には、世の中の経営者を取りまく複雑な環境・背景と自身のコンサルティング経験から創りあげたひとつのスタイルがあった。正解がないVUCA時代の経営判断に寄り添うコンサルタントとして、正解を探すよりも大切にしていることとは。

経営判断に正解はない。求められる価値観理解と多面思考

– 携わっている業務内容を教えてください。

Reproの事業戦略の立案、実行指揮を担うCSO(Cheif Strategy Officer)を務めながら、コンサルティングチームではクライアントに対して上流工程のデジタルマーケティング戦略立案・実行支援を行なっています。

私は2015年に入社しているんですが、その後CTOの橋立、COOの齋藤、CFOの小野原、CMOの中澤など、CxOクラスのメンバーが増えてきてからは、Repro全体の経営課題からみたときに必要とされる新しいサービスやソリューションの立ち上げに関わる時間が増えました。そのひとつとして注力してきたのが、コンサルティングチームの立ち上げです。

– コンサルティングを行うクライアントは、具体的にどのような課題を抱えている方々なのでしょうか。

大手企業のデジタルマーケティング戦略の策定を担う方々の中でも「実現したいことは決まっているが、具体的な戦略図や計画は決まっていない」方々とご一緒することが多いです。

そういった方々と話していると、様々なステークホルダー、連携する多くのシステム・ツールなどに配慮した上で、スムーズに戦略を策定・実行することはそう簡単なことではないことがよくわかります。

– 様々なことに配慮しているうちに、本来の目的を見失ってしまったり目的に対して適切な手段を取れていなかったりする場面を見かけることがありますよね。

ここは非常に難しくて、(そうなってしまう)気持ちはよくわかります…。

そこを理解しつつ、クライアントが実現したいことに対する適切なプロセスを進めていくために伴走するような気持ちでコンサルティングを行なっています。

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– コンサルティングを行ううえで、どのようなことを大切にされていますか。本来の目的を見失ってしまう…目的と手段の不一致…。これらを未然に防ぐためにはどんなことが必要なのでしょうか。

ケースバイケースではありますが、クライアント自身と私たちとの間においてゴールや課題の定義を明確に定め、共通認識化することが大切だと考えています。

例えば、「アプリを作りましょう。WEBサイトを作りましょう」という声はあがるものの具体的に「何を作るか」は決まらないまま話が進まないことってありませんか。これは、本来到達したいゴールやその過程で向き合うべき課題が明確でない状態です。手段としてのアプリ、WEBサイトを作ることが目的になってしまっている状態と言い換えることもできるでしょう。

ここ(到達したいゴールやその過程で向き合うべき課題)が明確でないと目的と手段の不一致が生じ、目指していたゴールにたどり着くまでに時間がかかってしまうことがあります。そもそも方向性がずれてしまって、気づくとゴールがある方角とは違う方向へ進んでいってしまうことも…。

まとめると、大阪に行きたいのか、沖縄に行きたいのか…まずはその行き先・目的地を定め、飛行機で行くのか、車で行くのか…という適切な手段を定め、共通認識化することが非常に重要なのです。この共通認識化するプロセスが的確に行われることで、その後の具体的な数字目標設定やプロセス設計もスムーズに行うことができます。

–「他社もやっているから…」が最初のきっかけになることは多いかもしれませんが、実際に取り組む際には自社における定義が必要不可欠なのですね。 そのほかに、ご自身がコンサルティングを行う際に意識していることはありますか。

常に、経営者の視点を持って向き合うことを意識しています。クライアント企業が本当に達成したいことは何か、そのために経営陣がデジタルマーケティングチーム・施策へ期待していることは何か…。 ここも的確に捉えて進められるようにコミュニケーションを重ね、共通認識化します。

–「共通認識化」という点は非常に強く意識されているのですね。いつ頃から、なぜ意識するようになったのですか。

意識するようになったきっかけはいくつかありましたが、前職からこれまで…様々な経営者の考え方に触れるうちに、それぞれの経営者が大事にしている考え方・価値観に合った提案を行うことが重要だと気づいたことがひとつの転機でした。コンサルタントとして働き始めたばかりの頃は(わかりやすく言えば)利益の最大化こそが企業と経営者が目指している存在意義・価値だと思っていたんですが、経営には正解がないんですよね。だから、経営判断というのは本当に難しい…。

「経営において大事なことは、経営者と企業ごとに多様である」ということに気づいてからは、相手の価値観を理解し、目の前の経営者の視点で多面的に考えることを強く意識するようになりました。

経営には、「数字に表れない大事なこと」がある

– コンサルタントとしての姿勢やスキルをアップデートしてきた中で、特に印象に残っている過去のコンサルティング事例や影響を受けたクライアントとの経験はありますか。

あまり詳しく話せない点はご理解いただきたいんですが、印象に残っている案件として地方で運輸業を営む企業のコンサルティングに関わった時の話があります。その企業が拠点を置く地域では人口の減少が著しく、それに伴ってその企業が提供していた運輸サービスの利用者も減っていました。従業員の高齢化が進んでいたことも踏まえ、その企業の存続に必要な利益を最大化させるための提案を用意しました。

その提案をお持ちすると、あまり賛同はいただけないようなリアクションでした。いろいろと話を聞いてみると、その企業の社長の中には利益を最大化させることと同じくらい大切にしていることがあると知りました。それはひとつには地元の地域への貢献視点であり、またひとつには長年勤めてくれている社員の雇用視点でもありました。

それまで私の中では「利益の最大化」こそが経営における最大のミッションだと考えていたんですが、それだけが全てではないということをこの時に教わりました。それと同時に、経営者の中には利益の最大化と自身の価値観との間に生まれ、抱え続けている葛藤があることも知りました。

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– テクニックやスキル、業界知識はインプットすることができますが、実際にクライアント企業、経営者と向き合い続けてきたからこそ体感したエピソードですね。

なぜか、私はそういった葛藤を抱えている経営者、もしくは責任者の方と接することが多かったんです。

そういえば、新卒2年目の年にアサインされたプロジェクトでも同じようなことがありました。その時に関わったのは、国内に製造拠点と流通拠点をもつ大手メーカー企業でのプロジェクトでした。その企業が事業を展開する業界が下火になり始めたのを機に経営体制の効率化が検討され、その実現をサポートするようなプロジェクトでした。

その頃の私は物流体制を最適化するミッションを受け、まずは輸送や在庫管理、倉庫維持にかかっているコスト、人件費などを計算しました。そうすると次第に赤字を生み出している部分が見えてきて、一部のサービスレベルは下がるものの利益は最大化できるような体制がイメージできるようになってきました。わかりやすい部分でいうと、「こういう形で最適化することで、今ある数十拠点のうち3分の1くらいは不要になります」というくらい極端な提案内容も用意していました。

その提案を持って当時のカウンターパートだった年上の担当者のもとに出向いたんですが、今思えばなんとも言えない表情をされていたような気がします(苦笑)一方で、丁寧に話してくれました。「企業としてはもちろん利益を上げることは重要なんだけど、それと同じくらい大事にしている従業員の雇用や中期的な計画、背景にある人や物事の関係性もあるんだ」と。

それを聞いて、経営には「数字に表れない大事なこと」があるということに改めて気づいたと同時に、コンサルタントとしての視点と事業者としての視点の違いを感じました。

– 今、コンサルティングファームと事業会社の違いについて話がありました。2015年に事業会社であるReproへ移った直後、改めて働き方やルール等に違いを体感した場面はありましたか。

「どこまで踏み込むか」という点で大きく違いを感じましたね。

一般的にコンサルタントが関与するのは提案を作成するところまでで、実行するのはその提案を受け取った企業です。施策がワークしたか、計画が実行されたか、利益が生まれたかというところまでは追うことができません。それが良いか悪いかではなく、コンサルタントとはそういう役割です。一方で、事業会社に入ってみるとその先の実行レイヤーがあり、もっと言えばその結果にも責任を持つことが当たり前ですよね。

実行レイヤーを境としてその手前までを請け負うか、実行・結果まで踏み込むか…この違いは大きい。これまでの話に登場した経営者の話からも伝わると思いますが、実際に経営判断を下し、実行するリアルなところこそがもっとも複雑で、大事なんです。

クライアントと向き合う際にはその背景を十分に理解して臨みたいと思っていますし、私自身、Reproの取締役CSOを務める中で身をもって実感をしています。

不確かなVUCA時代。自分の考えを自ら疑い、磨いていく

– これまでご自身の経験と日頃意識されていることをお伺いしました。一緒に働くReproのコンサルタントには(Reproや顧客から)どのようなことが求められますか。

テンプレートを提供するのではなく、経営者の価値観を理解した上で多面的に検討を重ね、1社1社に対して提案を作成することが求められます。 そのためには最新情報を常にキャッチアップすることも大切ですし、クライアント企業の組織構造や業務・業界理解を深め、そのクライアントにとってのベストソリューションを自ら創り出せるようなスキル・姿勢も必要になるでしょう。

例えばそれは、赤字の事業があった際に「じゃあ、撤退しましょう。それによって◯億円が生まれます」というコミュニケーションではなく、クライアント企業の理念、経営者の価値観、市場の動向などを多面的に捉え、その会社にとってベストな戦略と施策を0から一緒に考え尽くすようなコミュニケーションです。

Reproを導入しているクライアントであれば、提案が実行された後にすぐ成果を確認できるため、フィードバックループを素早く回すこともできます。そうなれば、よりリアリティのある提案ができるようになっていきます。

私たちはそこまで踏み込んで各社のデジタルマーケティング戦略の立案、実行支援を行なっていきたいですね。

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– クライアント各社の上流工程に踏み込んでいくコンサルティングは毎回異なるテーマと向き合えることが面白さであり、一方でクライアントごとに異なるオーダーに応え続けるタフさも求められそうですね。

そうですね。ただ、これは誰でも最初からできるものではありません。今回はいろいろとと話しましたが、私も最初からできていた訳ではありませんでした。

というのも、学生時代は分子生物学や免疫学等を学び、幹細胞の研究をするために大学院への進学を検討していたところから外資系コンサルティングファームに就職したので、「経営コンサル」とは何なのか全くわからないところからのスタートでした。

やがてコンサルタントとして経験を重ねていくと「どうやら、コンサルティングとは多くの人が課題として抱えていることに対して答えを出していくことだ」ということがわかってきました。ここからが少し大変です。誰もが課題として抱えているということは、演繹法や帰納法をはじめとした単純なフレームワークを使えば答えが出ることではないわけです。そうすると身近なところにはその解決法や答えにたどり着くための方法論が見当たらず、年間200〜300冊は本を読んだ時期がありました。

そして行き着いた答えの出し方が、 「早くアウトプットを出し、そのアウトプットに対して自ら客観的に課題を見つけ、ブラッシュアップしていく」 という方法。これを重ねていくことで考えが熟成され、多面的に思考された意見や提案が作られていくんです。

そういった背景があり、Reproで一緒に働くメンバーにも 「考え抜くのは大事だけど、初めから一発で答えを狙いにいかなくていい」 と伝えています。

– そのアドバイスの内容をもう少し具体的に伺えますか。

ここで伝えたいのは 「人間は自身に経験や知識がないことはできない」という前提のもと、トライ&エラーのサイクルを速く回していこうということです。それは自分の中でのトライ&エラーという意味もありますし、軸を持ちつつも柔軟に相手と議論をしながらベストな形を探っていくコミュニケーションの過程のトライ&エラーを指してもいます。このサイクルを速く回していくうちに考えや意見も研ぎ澄まされていき、最初の仮説を立てる精度も上がっていくんです。

そもそもこれまでの常識がいくつも覆され、「答え」と言われるものが不確かな時代になってきていますからね。はじめから確実に答えを見つけようとすればするほど、前に進まなくなってしまうと思いますよ。仕事も、人の成長も。

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– 現代の環境を表現するキーワードとして「VUCA時代がきた」と言われる中、個人と企業の双方に不確かな世界を生き抜く力が求められていると思います。そのような中で、Reproは今後世界に通用するような企業へと成長することを目指しています。その成長のプロセスの中では、コンサルティングチームにはどのようなことが期待されるのでしょうか。

冒頭の自己紹介でも触れましたが、私はRepro全体の経営課題からみたときに必要とされる新しいサービスやソリューションの立ち上げに関わっています。コンサルティングチームは、その中で立ち上がったもの。そのコンサルティングチームには、今後Reproが新しく創り出していくソリューションを最前線で提案・試行し、他チームのために標準化していくような役割を求められていくと思います。

とはいえ…これこそ何が答えかなんてわからない仕事ですよ。

それでも仮説や行動を柔軟にアップデートし続けながら、諦めずにトライ&エラーを高速で繰り返していこうと思いますし、一緒に働くメンバーには同じような姿勢で臨んでもらえたらと思っています。

企画・取材・執筆=山崎貴大
撮影 = 賀谷 友紀

2020.12.24
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