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See All Events–現在の業務内容を教えてください。
事業開発を推進するBusiness Development DivisionのBooster Teamに所属し、事業責任者として『Repro Booster』の事業開発、事業推進を担当しています。
後ほど事業の詳細に触れますが、『Repro Booster』は2022年10月にベータ版リリースをし、2024年5月に正式版をリリースしました。事業グロースの一歩手前の段階まできています。現在は、グロースした際の状況・環境に耐えうる製品、チーム、カルチャーを作り、ブレない事業、組織を作ることが大事な時期。揺るぎないチーム力、製品価値を作り上げることに取り組んでいます。
–体制について教えてください。
Booster Teamは開発、セールス、顧客サポート、事業推進等の役割を担う様々なバックグラウンドを持つメンバーで運営しています。
全員が主語を「職種に就いた自分」ではなく「事業」とすることを意識し、役割の垣根を飛び越え、事業のグロースに必要なことを考え続けるチームづくりをしています。そのため、開発担当が商談に出ることもありますし、営業担当が開発の話に加わることも日常にあります。
–『Repro Booster』とはどのようなプロダクトですか。
一言で言うと、Webサイトのプログラムコードにタグを1行入れるだけでサイトの表示速度を高速化できる技術を独自に開発し、遅いサイトを速くするためのプロダクトです。
普段スマホでECサイトを見ていて、表示速度が速いサイトがあっても「このサイト、速いね」と口に出して言うことはないと思います。それとは逆に、遅いサイトがあったらすぐに不満を覚え、口に出して共有したりしてしまいますよね。
例えば、カートに商品を入れっぱなしになっているユーザーがいた時、サイトからユーザーに向けてカート内の商品を確認するように促すポップアップを表示したとします。ユーザーがすぐにカートの中身を見に行ったとしましょう。この際、カート内の商品が表示されるのに数秒も時間がかかったらどう思いますか。(ユーザーは)不便だと感じ、そのページを閉じてしまうかもしれません。これは良いポップアップ施策を行っていても、表示速度が遅いことで台無しにしてしまっている例ですが、こうしたケースは少なくないと思います。
『Repro Booster』を導入いただくと表示速度が改善され、機会損失を減らすことができます。
–導入企業が抱える課題について教えてください。
パターンがあるので、それぞれご説明しますね。
1つ目が、自社サイトの表示速度について、アンケートを通じて顧客から定期的なフィードバックを受けている場合。課題が表層化しているがなかなか着手できていないケースです。担当者も顧客の声にすぐにでも対応したい気持ちはあるんですが、サイトの表示速度を改善するためには専門知識と工数がかかりますし、改善効果を明確に測ることも難しく、(改善に取り組むという)意思決定を下しにくいと聞きます。
この状況では、タグを1行入れるだけでクイックに改善できる点が評価されます。
2つ目が、「サイトの表示速度を改善することはマーケティング指標に良い効果をもたらす」と理解していて、これからサイトの表示速度改善に取り掛かりたいと考えている場合。また、2021年6月にGoogleがSEOに関する新たなシグナルとして発表した「Core Web Vitals[※]」の指標を上げたい場合。
この状況では、「LCP平均改善率 30.5%」「FCP平均改善率 33.5%」などの改善実績が評価されます。
検討・導入いただく際には、サイトの表示速度改善はマーケターの方に仕事であることを伝え、「ユーザーにとって“遅くない”サイトを提供しましょう」とお話ししています。
[※]Core Web Vitalsとは、ページの読み込みパフォーマンス、インタラクティブ性、視覚的安定性に関する実際のユーザー エクスペリエンスを測定する一連の指標。 https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-web-vitals?hl=ja
–Reproがこの事業を実現できた理由を教えてください。
Reproが長年にわたり、Web・アプリサービスの顧客体験に向き合い、事業を作ってきたナレッジがあることが関連しています。
Reproには事業活動の結果蓄積されてきた行動予測、離脱傾向等にまつわるデータがありました。そのデータを見ると、「サイトの表示速度を改善できるサービスを提供できれば、新たな価値になる」ということは明らかでした。そのため、技術が見つかった時には「すぐにやった方がいい」と確信を持ちましたし、経営陣の中でも意見がすぐに一致したと聞いています。
独自の技術を見出し、形にできた発想力や技術力ももちろんですが、この事業の立ち上げを素早く意思決定できたこと、そのための裏付けとなるデータを持っていたことが(Reproがこの事業をいち早く形にできた)理由です。
–経歴を教えてください。
以前は、中古車買取・販売事業を行う会社に勤め、営業部、人事部、新規事業部での業務を経験しました。新規事業部で働いていた時期には4つの事業を立ち上げ、総営業利益は5.5億円を超え、28歳時点で部下の数は100人以上になっていました。
その後、自分自身の威信を賭けて取り組んだ事業があったんですが、これがうまくいかなかったんです。この時に「これまでの成功は自力ではなく、会社の環境や資本があったからこそできたものだったんだ」と気づき、自分自身に対して大きな危機感を覚えました。
自分にとって苦手な領域で、ハードシングスな経験を得られる場所で働かないといけない、と考え、転職を検討し始めました。
–Reproを知った経緯を教えてください。
前職時代にReproのサービスを使っていたので、もともと知っていました。当時(のReproは)は「すごく真面目」という印象です。常に顧客の視点に立ち、クライアントファーストの姿勢がブレないんですよ。気の良い人も多く、クライアントのための労は厭わない精神が徹底された企業だと感じていました。
–Reproへの転職の決め手は何でしたか。
以前一緒に働いていた取締役CBDO(最高事業開発責任者)の中澤からは「新しい製品企画を行うから」ということで前職時代に誘いを受けていました。事業開発ではない打診に、実は一度断りましたが、再度打診があった時には全く違う『表示速度高速化』の構想、事業開発というミッションをご提案いただきました。
当時、サイト表示速度を改善することの大変さを自分の身で実感していたので、『Repro Booster』の構想に興味が湧きました。
「(『Repro Booster』を立ち上げることは)Reproにとって大きなチャレンジだ」と代表の平田からも聞き、自分自身も転職の際には一番難しい道を選び、新たな挑戦ができる環境を得たいと考え、Reproで働くことがベストだと考えました。
–入社後、事業立ち上げに携わり始めてからこれまでを振り返った際、印象に残っている転機・出来事はありますか。
正式なリリースを見据えてプライベートリリースを行った時のことです。10社以上に協力いただきPoC(実証実験)を行ってみたところ、予想していたような結果が出ず、「(当時の)計測環境に誤りがあるのではないか」との意見が出てきました。
改めて計測してみると、「導入してもサイトの表示が速くなっていないかもしれない」との懸念が生じました。提供していたPoCの協力企業からは撤退せざるを得なくなり、4ヶ月以内に立て直しをしなければならない状況となりました。
そこから当時の自分を含めたメンバー全員で毎日アイデアを出しあい、できる限りのことを尽くしました。その結果、導入した瞬間にハッキリと効果が表れるプロダクトが完成しました。
–ピンチを乗り越えることができた理由を教えてください。
私はメンバーに向けて「できるまでやり続ける」と言い続け、それまで大きなトラブルがなかったことも踏まえて「たった1回のトラブルがあったからなんだ。新規事業に想定外のトラブルは付き物。やっとヒリヒリする局面がきた。ここで気合いを入れて、サクッと乗り越えようぜ」と伝えました。その後、メンバー同士の団結感が強まり、乗り越えることができました。
–その言葉を伝えた際、どのような意図があったのですか。
勝負で負けない方法があるとしたら、何だと思いますか。私は、負けを認めないことだと思います。
「気合い」「根性論」に聞こえるかもしれませんが、そうではありません。私が伝えたいのは、「ただやり続けよう」ということではなく「自分達が考えた明確な筋があるならば、周りの全員が手を引くまでやり続けよう。最後までやり続けた人が勝者になる」ということです。
これは良い意味で「諦めが悪いよな」と言われ、評価を受けていた前職時代から私の根底にあるもので、これこそ成功に一番近いロジックだと考えています。
–そのような考え方に至るまでに影響を受けた出来事、出会いはありましたか。
この考え方は、新たなフードデリバリーサービスを形にした「Uber」からインスピレーションを受けています。
「Uber」が登場する前から「家で食事がしたい」というニーズはありました。「Uber Eats」のようなフードデリバリーサービスを思いついた人もたくさんいたと思います。しかし、新規事業においては、アイデアよりもアイデアを実現しきる力が求められます。
「Uber」は人々のニーズに向き合い、形にし、実現するまでやりきりました。『Repro Booster』も失敗に折れず、前進する方法だけを考え続け、やりきりたいと思っています。
–Reproには既にいくつかの事業があります。新規事業に取り組む理由は何があるのでしょうか。
私は、Reproを次のステージへ進めていきたいと思っています。メンバーには気の良い人が多く、クライアントファーストの文化が根付いていて、これまで一貫性を持って経営してきたことがよくわかります。それが、Reproの強みであることは確かです。
一方で、マーケティングツールの領域は飽和状態になっていると感じていて、多くのマーケティング関係者が新しい施策を見つけようとしている時期です。この状況に(Reproが)新たな価値を提案して、もう一度業界の中で一目置かれる存在となることで、「Repro 2.0」と言える状態に会社を引き上げていきたいと思っているんです。
そのための突破口を切り拓くのが、『Repro Booster』だと思っています。
–『Repro Booster』の事業責任者として意識していることを教えてください。
1つ目は、世の中の動向に気を配り、変化があればキャッチアップできるようにしています。ReproはIT技術を活用したプロダクトを提供している会社ですが、ITの技術進歩は非常に速く、新しい製品が生まれたとしてもまたすぐに新たな製品が台頭し、取って代わるようなことが起こり続けるものです。
そうした中で、正しい道筋を見つけて適切な判断を下すこと、メンバーとビジョンや目指す世界線を共有して賛同・協力してもらうことが事業責任者としてやるべきことだと思っています。
不確実性が高い中で正しい道筋を見つけて適切な判断を下すことは容易ではありませんが、世の中の投資家の方々の視点や動きも見ながら、一歩先を見続け、製品をどうアップデートしていけば良いか、と日々考えています。
2つ目は、情報を得るソースにこだわっています。さまざまなメディア・媒体がありますが、私は有識者と繋がり、直接話す機会を大事にしています。直近は「日本におけるWebパフォーマンスをどう上げていくのか」という観点で有識者の方、業界内の方と話していて、一緒に肩を組んで、1社で実現できる限界を突破していこうと語っています。
–『Repro Booster』の今後の展望を教えてください。
『Repro Booster』は表示速度を改善するプロダクトですが、現時点では「表示速度」というカテゴリーはありません。それに対し、私たちは表示速度の改善とはWebパフォーマンスを上げることであり、『Repro Booster』は「ウェブパフォーマンスオプティマイズ(WPO)」という1つのカテゴリーに存在しているプロダクトだと考えています。
今後さらにIT化が進むとWebサービスがインフラになり、より一層人々にとって必要不可欠なものになっていきます。そこで「使いにくい」「必要な時に情報が届かない」となったら役割・意味を果たせなくなってしまいます。
私自身がウェブパフォーマンスオプティマイズのスポークスマンとしていち早く啓蒙に取り組み、カテゴリー化されることで新しいビジネスが生まれ、快適な環境を届けようとする意識がIT業界全体に浸透していくことを目指しています。これは1社で実現できることではなく、競合と言われる企業とも肩を組んで取り組んでいくべきことだと思っています。
–現在行っていること、着手していることはありますか。
「ウェブパフォーマンスオプティマイズ」カテゴリーを創出し、カテゴリー内でReproがトップになることから逆算した事業戦略を立てています。
イベントでのピッチや自社主催セミナーでは、単に『Repro Booster』を紹介するだけではなく、WPOカテゴリー創出のための啓蒙も行っています。
また、チームメンバーに向けては「(これまでの)Reproとの決別をしないといけない」という想いで話しています。「既存のReproのシステムの制限があるため、できません」などとなるとスケールできる可能性がある新しいことに取り組めないじゃないですか。
主語は「顧客」、主体は「Repro」。顧客のビジネスを成長させるためにReproができることをオープンに考え、“できる方法”を考えながら話すことが大事だと考え、既存事業とはいい意味で一線を画した雰囲気づくりを意識しています。
–今後に向けて、どのような組織を作りたいと思っていますか。
今後の組織づくりにおけるテーマは「超属人化」です。
私たちが作りたいのは、全員が平均点70点を取れて、ゆっくり、みんなで成長していきたい組織ではありません。
尖ったキャラの人がいてもいい。年齢も、働き方も問わない。ただ全員が事業と顧客のことを考え、能力や想いが事業に集約され、個々の強みが最大限に生かされる組織を目指しています。個々の最大出力の結果、価値ある施策や効果的なアイデアを生み出し、それらをフォーマットにしていくことで、仕組み化・ナレッジ化を推進していきます。事業責任者はそんな仲間を集め、率いることが1つの仕事だと思っています。
事業開発の一連のプロセス、0→1/1→10の組織作り、マーケティングの最先端の事例等に関心のある方がいれば、ぜひ一度お話ししましょう。
共感いただける方、興味を持ってくださった方がいれば今後の『Repro Booster』の挑戦をご一緒できると嬉しいです。
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