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See All Events–これまでReproで担ってきた業務を教えてください。
クリエイティブディレクターとして2018年に入社し、デザインチームに入りました。
一口にデザインチームといっても、入社当初と私がチームを離れることになった2021年の11月時点では、やっている仕事は大きく変わります。
入社当時は、Reproが支援するクライアントの広告施策用バナー画像などを作成するのが主な業務でした。あえて伝わりやすいように表現すると、言われた内容に沿って画像を制作するデザイン工場のようなイメージでしょうか。
そこにデザイナーとしての提案余地がないことに疑問を覚えたことに加え、受け身の制作だけではクライアントの成果を実現できないのではないかと思い、次第にクリエイティブの検証を提案するようになりました。
–クリエイティブの検証とは、具体的にどういったものでしょうか。
ReproはあらゆるWeb・アプリサービスの売上改善を支援する会社です。施策によっては、広告バナーをはじめとしたクリエイティブも成果に起因する要素のひとつ。例えばアプリストアにアプリを出す際にも、クリエイティブによってダウンロード数が左右されることもあるんです。
ただクリエイティブを作るのではなく、クライアントの成果に対する仮説を立て、検証し、そのPDCAを回す中で得られるものを頼りに、クライアントのKPIの改善に貢献できるクリエイティブを探っていくことが大事。 そうしてクリエイティブの検証を重ねてきました。
クリエイティブの検証の提案は、当時のデザインチームやマーケティングチームには少なかった姿勢や視点ではありましたが、次第に動きと成果を認めてもらうことができ、デザインチームに対するイメージも変わっていったのを覚えています。いわゆる、デザイン工場ではなくなっていきました。その後、次第にチームのメンバーも増えていきました。
–チームを作るにあたって、マネージャーとして心がけたことはありますか。
すべてのデザイナーが元から(ここまで話したような)マーケター思考を持っているわけではないという点を理解した上で、徐々に理解者、実践者を増やしていこうと意識していました。
いくつか具体的に行ったことはありますが、最初にチームとして目指す姿、目標を 「デザイナーの市場価値を向上させる」 と設定しました。そして、チームメンバーの課題解決能力が伸びる、もしくは活かされるように心がけていました。指示されたままにデザインを作るのではなく、マーケターと同じ目線で話すことができるナレッジを持ち、課題解決につながるクリエイティブを提案・制作することで課題解決能力が磨かれ、信頼を得ることができ、デザイナーの市場価値は上がると考えました。 そのイメージをメンバーと共有し、業務に臨んでいました。
–デザイナーにとっては、デザインスキルを磨くこととは異なるトレーニングが必要になるわけですね。
そうですね。最初はデザイナー自らがデータを読み解き、クリエイティブの仮説立てのヒントとなる数値を読み取るトレーニングを始めました。
というのも、デザイナーがクライアントと会話するときの共通言語は、なるべく定量的であるべきだと思っています。背景を赤にしたいと思うなら、その理由があるべきです。「なんとなく赤がいいと思った。流行っている色だから」ということでは説得力がありません。データや定量情報を使って根拠を示す…そのプロセスと提案内容にこそ価値を感じてもらえるんです。
ただ、そうしたことに不慣れなデザイナーがほとんどです。あくまで仮説の素材としてデータを調査・活用すべきところを、データ抽出事態が目的にしてしまったり何時間経ってもデータと睨めっこしているだけで仮説を立てるところまで進めなかったり。課題がどこにありそうなのか当たりをつけてから取り組むと効率的なのですが、そうしたコツを身につけるには一定のトレーニングが必要です。
–向き不向きもありそうですね。
元来持ち合わせている適性もあると思います。そのため、徐々に採用活動にも携わり、面談を通して人材の適性をみるようになりました。
とはいえ、マーケティング思考を持ったデザイナーは採用、転職市場にはごくわずかしかいないと思います。採用するよりも自社でも育てるべきと考え、デザイナーにマーケティングを学んでもらうだけでなく、マーケターにデザインを学んでもらうといったこともトライしました。
こうした過程で学んだのは、課題を目の前にしたときに臆せずしっかりと向き合おうとする姿勢が何よりも大事だということ。自分なりに出した答えが間違っていてもかまいません。たとえ間違っていても、目的意識を持ってクリエイティブを実践していくことでデザイナーとしての市場価値が確実に上がっていくんです。
–目的意識を強く持ち、業務に臨む姿が印象的ですね。
そもそもデザイナーには2種類の人間がいると思います。白いキャンバスに絵をかいてと言われた時、描いた後の絵はどこに飾られ、誰に見られるのかといった目的を理解しないと描けない人と、自由に描けることを喜んで早速取り掛かるアート思考な人。
僕は圧倒的に前者なんです(笑)。目的が無いと何を表現していいかわからない。だからと言って常に目的を与えてもらえるわけではありませんから、自ら目的を仮説立てて描き始めるほかないんです。
–そうした気づきはいつごろ得たのでしょうか。
思い出せる中では、専門学校でデザインを学んだ後に入社した前職の映像制作会社での経験が影響しているかもしれません。
入社後に配属されたのは、映像制作以外のニーズに応える新規部署でした。メンバーは、新入社員だけ。頼れる上長がいるわけでもなく、受託元の広告会社からも明確なゴールが共有されることがないまま、デザイン業務に携わるようになりました。
その環境下で、自然とこんなことを考えるようになりました。
「自分が作っているものは、誰の、何のためにあるんだろうか?」
やがて自分で仮説を立て、目的を意識した仕事の仕方をするようになると、クライアントとの信頼関係も深まっていったように思います。そうこうしているうちに、いつの間にか営業から企画提案、クリエイティブ制作、システムの実装まで…すべてを担当するようになっていきましたね(笑)。
–当時クライアントの信頼を得ることができたのは、なぜだったと思いますか。
クライアントのニーズと目的を何よりも意識し、コミュニケーションしてきたことが理由のひとつなのではないかと思います。デザイナーとしてコミットする場合はクオリティにこだわりたい気持ちもあります。
しかし、プロジェクトの中では、与えられるKPIや納期などによってその優先度は変わってくるんです。クオリティよりもスピードが求められる場面も少なくありません。集客を目的としたウェブページを作る場面でも、クリエイティブのクオリティが直接成果に直結しないケースもあります。
クライアントのニーズがいったいどこにあるのか。その一点を常に意識し、仕事をしてきました。
–前職では裁量権を持って働いていたのだと思いますが、転職を決意し、転職先としてReproを選んだきっかけは何だったのでしょうか。
転職先を考える際、(これまでの経験から)漠然と「マーケティングをやりたい」という想いはありました。ただ、正直にお話しすると、その当時Reproのことやマーケティングのことはあまり知りませんでした。
最初のReproとの出会いは、転職サイト。転職サイトからスカウトメールが来て、どんな会社か見てみようかなと思ったとき、間違えて「話を聞く(求職者が企業担当者へカジュアル面談を申請をするボタン)」ボタンを押してしまったんです…。「やばいやばい、キャンセルしよう!」と思ったけどキャンセルが出来なくて、焦りました(笑)。とはいえ、「何か縁があるのかもな」と考え直し、面談に出向くことにしました。
面談でお会いしたのは、Reproのデザイナーの方でした。よく覚えていますが、話をするほどに「あ、この人デザイナーじゃないな」と思わせるような人でした。私自身、ディレクターやプロデューサーのようなポジションで多くのデザイナーを見てきましたが、過去に会ったことのあるどのデザイナーとも異なる雰囲気を持っていたんです。一言でその違いを言うとすれば、ロジカル思考を持っていると感じました。
そんなデザイナーが働いているReproとは、どういう会社なのか。それが、最初にReproに興味を持った切り口でした。
私が入社した後に社内の彼をみていると、デザインチームのマネージャーからマーケティングDiv.のマネージャーになり、今やデザイナーとはまったく異なる業務をしています。組織の課題に向き合う上で職種は関係ない。目的に対して役割を変えられる。そんな環境がReproにあるのだと示してくれたように感じました。
役割を限定せず、目的に合わせた多様な働き方ができることは、私がReproで働きがいを感じる点にもなっています。
–Reproに入ってから、変化・成長したと感じた場面はありますか。
Reproで働き始めてから、かなりマーケティング思考が磨かれたと思います。マーケティングを体系的に勉強したことがないままジョインしたので、最初は知らない言葉も多かったんです。わからないことに出くわす度に自分で調べる。またわからないことが増えて、調べる。その繰り返しでした。
しかし、言葉や概念の理解が進むにつれて、気づくこともありました。
「これまで自分は無意識にマーケティングに通じることをやっていたんだ」
学んだことの中にUI・UXがありますが、その言葉自体は知らなくてもデザインに触れる人の体験の重要性は以前から意識をしていました。そういうことが、ストンと腹に落ちていく感覚でした。インプットする新しい知識とこれまでの経験が点と点を結ぶようにつながりはじめてから、より一層仕事に打ち込んでいくようになりました。
–2021年の11月、入社当時から所属したデザインチームを離れ、Marketing Div.のメディアチームに異動していますね。異動の理由・背景は何だったのでしょうか。
ある時、(デザインチームの)メンバーが育ってきた(優秀なメンバーに多数ジョインいただいた)ことで、自分がいなくても業務がまわり、メンバー自身が市場価値を上げられるプロセスを自走できているチームになったと気づいたんです。それと同時に、私自身もクライアントワークから一度離れて、新しい挑戦をしたいと考えるようになりました。
今度はReproが抱える会社や組織としての課題を解決する働き方をしたいと思っていたところに、Marketing Div.から声がかかりました。
–現在の業務はどのような内容ですか。
メディアチームのリーダーとして、Reproの売上向上を目的とした集客施策を実施しています。
私はデザイン業務から離れ、施策の全体設計を担当。マーケティング施策に関わるデザイン制作がメインメンバーと、広告運用などの施策管理ができるメンバーとのチームで働いています。
集客といっても、単にリードの数を増やせばいいというわけではありません。例えば、リード数を集めても商談や成約に必ずつながるわけではない。どのような属性が取得できているリードであれば商談や成約につながりやすいのか考え、場合によってはリードの数ではなく、そのほかのポイントをKPIとして設定しなくてはなりません。セールス部門などと連携しニーズを聞き出し、適切な施策を実施します。
異動前のポジションと同様、目的を意識して動くという点ではこれまでの業務と何ら変わりなく、職務は違えど経験とスキルを活かせている面も感じます。
–今後に向けて、Reproに感じる伸び代はどのようなところに感じますか。
目に見えないものではありますが、これから本格的にカルチャーを築いていかなくてはいけないと思います。
強い個人が集まり、短期間で成長した会社であるため、独自の文化といえるものがまだふんわりしていて言語化されていないように感じます。組織が大きくなっている今、一致団結するには共通の目標を持てるような強い文化が必要だと思うんです。
会社にとって一番大事な目的は何か。
全員がそれを意識がけて動ける組織で働けられると嬉しいと思いますし、Marketing Div.の業務に慣れ課題を解決できた後は自分もそういう組織の一員として関わっていければと思います。
今後の刺激と変化の激しい日々が続く中で、私自身も引き続き目的意識を忘れず、仕事に取り組んでいきます。
企画・取材・執筆=株式会社ユニーク
写真=粟田 健太郎
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